カンブリア宮殿に出演したり、自身の苦労話を語った「逆境経営」を出版したり、今を時めく旭酒造の桜井社長の講演をメモをここに紹介します。 ・「ピンチはチャンス、山口の山奥の小さな酒蔵だからこそできたもの」 ・「逆境を好機と捉える経営改革発想」 ・「大量販売論理からお客様への幸せ志向商品へ」 (一級酒、二級酒といった安い量産の酒から純米大吟醸の高級志向へ) ●日本酒業界の低迷がビジネスチャンス 日本酒業界の出荷数量:1973年980万石、2015年307万石と40年間で1/3に激減 旭酒造も1973年2千石、1984年には700石と激減 →1984年から30年間で数量16倍、売上40倍に回復 ●山奥の過疎地(山口のど田舎)故にビジネスチャンス →外に市場を求める、売れる場所に直接進出、東京や世界へ →宅急便の普及で少量配送可能 →コピー、ワープロの普及により自力で情報発信可能となった ●県内でコメ(山田錦)が手に入らずビジネスチャンス(山口農協と喧嘩) →全国の山田錦探し(兵庫、新潟、栃木、福島) →山田錦全生産量48万俵、旭酒造が必要なのは20万俵で不足を危惧、 →富士通と協力し、長岡の農家にICT導入により山田錦栽培支援中 ●杜氏がFA宣言でビジネスチャンス →杜氏は農閑期に酒造り、収穫期は農業本業 →夏に地ビール作りをはじめ、レストラン事業にも手がけ売上2億円に対し赤字1.9億円 →田島杜氏の高齢化65歳で戻ってこない →社員4名だけで製造(杜氏の暗黙知の数値化・データ化) ●四季醸造体制の確立(業界常識の打破) →60m/12階建に全館空調を導入し、常に酒造に最適な冬の温度を維持 →12Fから下に製造過程を実現(精米→蒸米→製麹→上槽→濾過→火入れ→貯蔵→瓶詰) →5万石の製造能力あり山田錦は20万俵必要(日本全国で30万俵の生産量) →村米契約、村全体の生産量を購入 →農水省の減反政策からの脱却、山田錦の産地を増やした(新潟長岡他) →現在山田錦の収穫量は62万俵を超えた ●大量販売の論理(一級、二級)からお客様の幸せ指向商品に(純米大吟醸) ●追記 ・平成20年/2008年7月にまだ知名度の上がっていない旭酒造に初めて出会いました http://agatsuma.justhpbs.jp/dassai080727.htm ・その後、平成23年/2011年10月異業種交流会で桜井社長も参加され獺祭を堪能 |