ラスベガスの旅  
April 8 to 13 2002
●機中編

昔の会社のルールでは、肩書きが部長相当であればビジネスクラスを使ってもよいことになっていました。しかし、今はもっと上の職位(事業部長相当)でないと利用できないようです。つまり、私にとっていつまでたってもエコノミーしか利用できないのです。経費削減のためとはいえ、昔の先輩達が羨ましい気がします。今回ありがたかったのは、職位よりも飛行時間が長いか短いかで決めるルールを新たに発見し、10時間を越える今回の場合はビジネスクラスの利用OKとなりました。晴れてJALのビジネスクラスでラスベガスへ旅立つことができました。ちなみにラスベガス往復でビジネスクラスが約45万円、エコノミークラスが約15万円です。仕事でなければ躊躇無くエコノミーを選びますね。

往路はサンフランシスコ経由のフライト。隣りはコンピュータエンジニアの米国人と結婚して8ケ月という新潟出身の日本女性。国立音大卒の26歳で、車を運転できないからダウンタウンに住んでいるとのこと。旦那を愛しているが、新潟に残した両親のことがいつも心配とのこと。私の姉も米国人と結婚したが、結婚当初はきっと同じ気持ちだったのかもしれない。彼女はエコノミークラスの搭乗券で幸運にも席はビジネスクラスになったとのこと。一見26歳には見えない大人っぽさを感じさせ、話題も切れることなく楽しく往路の長旅を過ごすことができました。

サンフランシスコではNational Airlinesという聞きなれない航空会社でラスベガスへ。乗り継ぎに3時間余裕があり、時間つぶしに持参したパソコンを立ち上げたのですが、数秒でぷっつり切れてしまう。バッテリー故障のようで手荷物として持ち歩いた意味がまったくなくなってしまいました。結局フライトは定刻より30分ほど遅れて出発。この乗換えで4時間近く浪費してしまった。乗った飛行機は120人乗りのジェットであったが、離陸の際の異常音、着陸の際の異常音が気になり一抹の不安。とはいえ、無事1時間強のフライトで真夏のラスベガスへ。結局、成田―ラスベガスの往路は約14時間を費やしたことになります。

それにしても昨年の9月11日以来空港でのセキュリティチェックは厳しくなった。成田空港でのチェックインカウンタではスーツケースをあけて中身をしっかりチェック。サンフランシスコ空港でもパソコンをバックから出さされるし、運が悪いと搭乗口で手荷物の中身チェックもX線検査済みであるにもかかわらず再び行われる。靴底までチェックを受けることもあるそうな。

復路はラスベガスから成田への直通便。確かに航空機は同じであり、座席も同じ。しかし、ロサンゼルスで一度下ろされるのです。機内持込の荷物も持参し、1時間半空港で時間つぶし。この間にDuty Freeでお土産を購入していたらレジで「お前のフライトでは買えないよ」。時間的余裕がないからとのこと。こんならラスベガスでお土産を購入すべきだった。帰宅し、家内から一言「お土産はいらないとはいっても、せめてチョコレートくらいは買ってきたら?」。ロサンゼルス空港で再搭乗する際、ヒスパニック系の空港職員が「申し訳ないが、ランダムチェックをしたいので付き合ってくれ」。結局身体検査、荷物チェックを丁寧にやってくれた。ラスベガスでの搭乗口でもだれかつかまって同じようなチェックを受けていたことを思い出しました。これはSeptember 11以来、米国空港職員の重要な職務のようなのですね。人相のよさそうな、文句をいわなそうな人を対象にやっている。今回ご一緒したT氏(わが社のOB)は成田でもロサンゼルスでも何度もランダムチェックを受けたそうな。靴まで脱がされたそうです。確かにT氏は人相のよい文句をいいそうにない年配紳士です。

●ホテル編

 私が滞在したのはBellagioHotelという一泊300jを超える最高級ホテル。ロビーは室内に大きな花壇を配置し、天井にはベニス近郊から取り寄せたカラフルなガラス細工がふんだんに飾られている。パバロッティのアリアやフランクシナトラの歌声にあわせ踊るダイナミックな噴水のショーFountainShowが名物。帰国後調べてわかったことだが、この噴水側のお部屋はなんと一泊400jを越えるようです。

 ラスベガスには4度目の訪問です。初回は20年以上も前でロサンゼルからの日帰りの旅。このときはDuneというホテルで休憩し、トップレスショーを見ましたが、このホテルは潰され、今はなんと今回滞在したBellagioが建っているのです。二度目はシーザスパレスでBellagioの隣り。3度目は空港に近いMGMという客室数では最大級のホテル。有名な展示会の頃にはどのホテルも料金は跳ね上がりますが、Bellagioはとにかく高いですね。ホテル内のカジノも手頃な25kマシンを探すのですが、1jマシンが多いのです。滞在する人の収入にあわせているのですね。

●ジョギング編

 海外出張で初めてジョギングをやりました。2年前から週末に4−5km走りはじめていたこと、時差解消方法として役立つかもしれないこと、自分の足で周辺を散策し視野を広げること。初日の朝は4時頃目が覚めてしまい、そのままメールチェック。インタネットを使える限りラスベガスにいても会社にいるのとまったく同じですね。6時すぎにやっと夜が明けてきて、いよいよジョギング開始。嬉しさ余ってホテルの中(カジノ)から走り始めたら従業員に怒られました。「ホテルの中では走るな」と。走ると泥棒と間違えられるのかもしれませんね。なんたって24時間金が飛び交っているのですから。当日訪問する展示会場まで走りました。地図ではたった3ホテル先なのですが、一つのホテルが1km近くもあり、結局3−4km先。米国のスケールの大きさを思い知らされました。早朝とはいえ走っている人が結構多いのですね。親近感を覚えました。私が追い越した中年の女性が気軽に「おはよう、がんばれよ」と声を掛けてくれるではありませんか。結局、初日の朝と翌朝2回気持ちよく汗をかくことができました。何よりも自分の足で走ることは本当に視野が広がるのですね。

●食事編

 初日はBellagioHotelの中華でした。T氏(某会社社長)主催で会社関係者が7名集まりました。BellagioHotelは大きな池の中で行われるFountainShowが売り物なのですが、これをホテル側から見る場合、このレストランが最高の場所なのです。夜になるとパバロッティのアリアにあわせて噴水が踊り出すのです。時差を回復していない最初の晩でしたが日本人にあった文句のない味でした。おそらく一人100jはかかったと思います。中華で一人100jとは贅沢というか高価というか。

 翌日は世界のマジックショーを満喫して興奮冷めやらぬままBellagioHotelの和食を満喫しました。夜10時頃から結局真夜中まで元ジュネーブの責任者をやっていたY氏を交えた食事でした。米国においても相変わらず日本酒をしっかり飲み干しました。一人150jほどで自腹ではいけないですね。

 3日目はO社さんの招待でホテルから車で30分ほどの郊外のイタリアンレストラン。当然パスタをベースとした料理でいずれも味はよかったのですが、米国人向けボリューム故、全部食べきれず残す忍びなさを感じました。出された赤ワインも優れもののようでしたが、薄暗い店内故、老眼の始まった小生にとってメニューを読むことが苦痛だったことだけ印象に残っています。ちなみにメンターmentorとは師匠のことだそうです。T氏とN氏は互いのメンターであることを食事中確認し会って盛り上がっていました。

 4日目は滞在したホテルの真向かいにあるParisHotelでフランス料理。エッフェル搭の中(レストラン専用のエレベータで上がっていく)にある高級レストラン。KT氏という日系三世、57歳がホストしてくれました。AT&Tを退職し、現在ベンチャ企業でVPをやっています。日本語はまったくだめですが、感じのよい楽しい方。相撲さんのようなたくましい体つき。BellagioHotelを眼下に見晴らしの良い席で私は舌平目を満喫しました。

●お楽しみ編

 2日目の夜、T氏の招待で世界のマジックショーを満喫しました。Siegfried&Royが繰り広げるマジックショー。ホワイトタイガーも登場する最高水準のものでなかなかチケットがとれないらしい。しかしT氏お付のA氏は日本で事前に予約をしたそうな。100j強と安くはありません。同じ席には3名の米国女性がいました。その中の一人は35歳前後のようで、米国人にありがちな陽気な性格で開演まで話がはずみました。ワシントン州から7年振りに来たそうでこのショーを見るのが目当てだったそうな。入場料以上の感動を与えてくれました

 3日目のイタリア料理満喫後、何と何とN氏(65歳の米国人)の計らいで「クラブパラダイス」にいったのです。日本で言えば、キャバレーですね。トップレスのお嬢さんがステージで怪しげに踊るのですが、我々客席には「Do you want a dance?」とセクシーな服装で若い女性が声をかけてきます。我々日本人にとって戦々恐々。声をかけてきたらどうしよう、でも声をかけられないと寂しいな。周囲の雰囲気を見ながら、アルコールに酔いしれながら、結局danceをするのです。一回20j。何をするのか?いかがわしいことはありませんよ。お客の目の前でトップレスになるだけです。指定の場所(足とお腹)以外触ると怒られます。所要時間3分前後。個人差はあるようで気に入った男性に対してもっと時間を掛けるようです。私の場合、一回にしてはずいぶん長く20分くらいdanceしたのですが、終わってみると五回だったそうな。ミャンマー出身のアジア系で30歳、中々の美人でしたが、いざ金を払うときになって一悶着。100j払えとのこと、現金ではそんなに当然持っていません。結局クレジットカードでOKとなり手数料10jもとられ、110jの出費。確かに彼女は「more?」と何回かいっていたことを思い出しました。Just say ’No’の大切さを学びました。これも社会勉強でした。

 ラスベガス滞在最終日。2月に来日したN氏とは茨城県でゴルフを共にしました。このN氏がラスベガスでゴルフをやろうと誘ってくれたことが今回の出張のきっかけになりました。ホテルから車で30分ほどのThe Legacy Golf Clubというメンバーコースで、私にとってこのコースは2度目のプレイになります。ここにK氏(63歳のわが社のOB)も合流しました。私とK氏は貸しクラブでプレイしたのですが、練習場に向かう際、N氏に教えられた貸しクラブをとろうとしたところ、米国人が寄ってきて「That’s my club」、てっきりその方はコースの従業員だと思い、「ありがとう、今日一日お前のクラブを使わしてもらうよ」、しかし、彼は「That’s my club」といい続けるではありませんか。貸しクラブにしてはなかなかよいクラブだと思いましたが、そうこうしている間にN氏が私のクラブはそれでない、といってくれ、はたと気付きました。この方は私同様お客さんなのだと。その間2−3分、穴があったら入りたい心境で丁寧に平謝り。10年前のプレイを思い出しながら気を抜くことなく集中した結果、10年前より10ストローク改善し81をマークしました。海外でのプレイでは一番良いスコアです。ウルフィーやらナッソーやらオリンピックなどたくさん掛けましたが、結局1ドル私は負けてしまいました。支払おうとしたときに気付いたのですが、ポケットにいれていた30−40jの現金をどこかで落としてまったようです。パスポートでもなく搭乗券でもなかったので良かったことにします。

●反省

・現金を常に持ち歩かないと不便な国ですね。ポケットに入れていた40jをゴルフ場で落としてしまったのです。といってもカジノで100j以上放出したことを考えると...

・米国人の若い女性達の露出度は日本人にとって目のやり場に困る?慣れてしまえば毎日が楽しいのです。ご高齢の方々の超長肥満振りは食生活に対する気遣い不足からくるのでしょうね。