能力主義から実力主義へ

     「終身雇用の崩壊から日本文化にあった能力主義とは」

実力主義への7つの提言

●数字に表れた結果だけでなくプロセスを評価軸に入れること
・GEのジャックウエルチの人事評価では最大の売上をし、かつ職場の仲間と情報共有する人物を最も高く評価します。
・では、最低の評価はどんな人物に与えられるか。最低の売上で情報共有しない人物ではないのです。
・最大の売上をしておきながら情報共有しない人物をもっと困る存在としています
・何故なら、最大の売上ノウハウを独り占めし、仲間に内緒にしておくことは組織を成長させる際のマイナス要因となるからです。
・ちなみに最低の売上で、情報共有しない人物は放っておいても会社を辞めていくそうです(^−^)

●評価の経緯を包み隠さず公開し、透明性を追求すること
・わが社にはバンディング会議というボーナス査定の場があります。センタ長、部長といった幹部のみが出席し部下を評価します。
・査定した結果は、上長が本人に理由をつけて報告されるので、これはいいシステムだと最初は感じました。
・しかし、バンディング会議そのものはやはり密室であり、あくまで上が下を評価する仕組みでしかない。
・実績評価を重視するとはいっても同レベルの複数社員から選ばねばならないときには結局能力や普段の素行が加味されるなど必ずしも客観評価されていません。
・評価する人物に対する評価される側からの評価をも行ってこそ、客観評価に近づけるものと思います。
・ちなみに5−6年前の課長の時代に部下から私を評価してもらうチャンスに恵まれました。それによると判断が素早いなどよい評価もありましたが、部下の話を聞こうとしない点が最も悪かったことを知りました。

●個人に帰結しないチームや会社への貢献を救い上げること
・いくら売り上げたかは客観評価しやすい職制ですが、新しい事業をチームワークで立ち上げた職制は何をもって高く評価すべきか難しいところがあります。
・松永真理さんがドコモでiモード事業を立ち上げたことは有名ですが、立ち上げ途中の初年度、金食い虫でしかない状況での評価は短絡的に扱えないことを認識すべきですね。

●年齢を問わず社員それぞれのニーズに沿った人材育成制度を整えること
・全社員が皆平等に様々な研修を受けるとしても個々人にあったものを選択できるようにすべきです。
・そうでないと年齢差による適正がいかされません。

●敗者復活の道筋を示し、低評価に甘んじた社員の士気に配慮すること
・目標を設定し、その実績を残したことが大切。これまでの低い評価はゼロリセット。
・ところが、会社の実情は一度罰点が付くと一生それがつきまとう風潮が少なくないような気がします。

●社内異動や社外からの出戻りを促進し、仕事の選択の自由度を高めること
・ヒューレットパッカードがベンチャ企業としてスタートして今では押しも押されぬ大企業になっています。
・この会社の特長は一度転職しても復帰することを認める余裕にあるような気がします。
・自社はおかしい。それで他社に転職する。すると自社の良さが良く分かり、再び自社で貢献する。
・トヨタ自動車のように育成時点から転職コースを用意する制度はすばらしい。結局、本人のやる気を引き出すことには変わりがないのだから

●会社の方向性を明示して本人の気づきを促し、早い段階からキャリアデザインを考えさせること
・会社のための個人ではなく、本人のための個人であり、その個人がライフプランをもって生きていくと結局会社に大きく貢献するはず。
・新入社員に就職なのか就社なのかとよく問い掛けるが、皆就職といえるのであるなら会社はありがたい。
・しかし、実際は皆就社ではないだろうか?