カリフォルニア電力危機から学ぶこと

     「だから電力自由化は間違いと考えるべきではない」

○事実

・カリフォルニアではベンチャ企業の需要増大に伴ない電力不足が深刻
・供給余力が殆どない状態(ステージ3)の警報発令
・2001年1月には二度計画停電実施
・この計画停電で、乳牛ミルクが絞れなくなった、半導体工場が操業を短縮
・地元業界はシリコンバレーへの投資が衰えることを心配

○何故起こった?電力事業の規制緩和が中途半端?

・だれでも電力業界に参入でき、消費者はどの業者からも電力を購入できる(1996年)
・電力料金を下げるのが狙いだから、発電会社は新たに発電所を作る意欲はわかない
・供給が伸びない一方で、好景気で需要が増大、電力不足となった
・自由化の方法は段階的に実施
・発電会社は電力市場で売る卸売価格は自由化した
・しかし、配電会社には2002年3月まで小売価格を凍結
・このため、燃料価格の高騰による卸売価格の上昇を配電会社は小売価格に転嫁できず
・これで倒産寸前、これが発電業者の売り惜しみを誘い、益々供給不足

○有識者のアドバイス

・発電会社と配電会社を分ける自由化のビジョンを政治が押し付けないこと
・産業の効率性は市場にゆだねるべき
・価格規制をしないこと
・価格規制がある(小売価格の上限設定)と節電するという消費行動が生まれない

○技術進歩の活用

・天然ガスなどの小型発電所による地域への電力供給
・家庭や事務所の燃料電池や蓄電池による自家発電

○わが国の電気事業連合会の安易な発想

・あと5年ぐらいは部分自由化の実績をみるべき
・まるで電電公社民営化論争の古い繰り返し、NTT分割論争を回避する発想
・しかし、今の電気通信事情をよく学ぶべき(NTTは大変だが)
・金融業界の自然崩壊を繰り返すな