欧州ファーストクラスの楽しい旅 199402
平成6年2月の欧州出張記です。
アルバムの整理をしていたらこの原本となる出張メモを発見しました。
十年以上経過した話ですが、面白可笑しかったので
一緒に行った仲間の方々の承諾なくアップしています。
◇登場人物
・団長 Sさん
・御のぼりさん Mさん
・生真面目さん Tさん
・幹事役 Iさん
・漁夫の利 Aさん
・ホスト役 Tさん
◇1994年2月10日〜19日
成田発ロンドン経由でマドリッド入り
その後ニース滞在、ロンドン滞在後、帰国
●旅立ち前
・旅立ち前の作戦会議(早い話飲み会)では、目的地の議論に花を咲かせ
リレハンメルオリンピックかスペインの闘牛か紛糾!
結局マドリッドに決定したものの闘牛はやっていませんでした
・旅立ち直前まで旅程が決まらず時間切れで通常エコノミーのフライトが
嬉しいことにビジネスクラスに決定!
(往復ビジネスで帰国時はファーストにアップグレード)
●成田からロンドンへ(2/10)
・成田空港BAカウンタからMさんのマルチメディアコンテンツ魂開花
当時高価だった8ミリビデオを至る所で撮りまくる姿を見て一同絶句
出張なのに観光旅行気分?
その後の道中で休むことなくビデオを撮りまくるMさんは只者でないことを認識
・唯一のスモーカAさんは一人喫煙席へ
と思ったらスチュアートに呼び止められ、「搭乗券を見せろ」
きっと彼は違法乗客(ビジネスに相応しくない客)に見えたのかも
・Aさんの隣は日本で有名な棋士9段の奥方
彼女はベニスのカーニバルを楽しむビジネスクラスの団体ツアーで搭乗
ビジネスクラスの団体ツアーってあるんですね
帰国のフライトもたまたま彼女と同じだったのです
こちらはアップグレードしてファーストクラスでしたので
(本人名乗りませんでしたが、米倉邦夫九段の奥方だと思います)
・マルチメディアがありました
前席の背中に埋め込まれた液晶TV、しかもチャネル選択できる
殆ど寝る暇なく最新映画にかぶりつき、VODの魔力に取り付かれました
液晶モニタの妙技、隣の人が何をみていても
わからない、覗けないのです
真正面からしか見えないということですね
プライバシーが保てますね
・英国人だからロンドンに詳しい?
ロンドン宿泊ホテル(帰路で宿泊予定のパークプラザ)不明
地図をみてもわからず隣の英国人に思い切って質問
彼は自動車会社に勤める英国人
住所を調べてもらって地図を広げても結局わからず
英国人を見てだれもがロンドンに詳しいと思うな!
●ヒースロー空港に到着(2/10)
・マドリッド行きに乗換えるためターミナル4から1へ移動
だれの気遣いかBA006便を降りると我が団体に日本語のアナウンス
BAの日本人職員がご丁寧に乗り継ぎバスまで案内してくれました
だれの気遣いなのか
団長Sさんの偉さ(不慣れな海外出張?)を再認識しました
・無事ターミナル1へ、さて乗継までの5時間をどう過ごすか
BAクラブワールドラウンジで宴会?
といっても機内ですでに飲み疲れ
さすがのMさんも8ミリビデオは小休止、熟睡模様
生真面目なTさんは国内の仕事が気がかりで
クレジットカードを使って何度も電話をしていました
・ヒースロー空港ターミナル1のBAラウンジはノーチェック
無料でアルコールなどの飲み物と摘みを満喫できました
ビジネスクラス以上に許されるはずなのにエコノミーの人も出入り自由
●いざマドリッドへ(2/10)
・2時間弱の短いフライト、それでも夕食サービスあり
突然と席は狭くなった、全席エコノミーのみ
Aさんの横の外人(自分が外人!)は太りすぎ、窮屈だったと思うが
我々日本人は体型が小粒で幸運ですね
・マドリッド空港のパスポートコントロールでは出張前の
トラベルエージェンシで作成してくれた入国書類がNG
一人を除き皆で別なものに書き直し
でも変な話、仲間のTさんはそのまま通過
他の4名はそろってNG、挙句の果てに書き込んだ内容はノーチェック
スペイン出国時に必要な半券まで取られてしまった
もっとも出国時特に揉めることなく出国しちゃった
いい加減な国ですね
・あっという間にマドリッド、いよいよファーストクラスの旅の始まり始まり!
スポンサーからお迎え2名(といっても日本から早めの現地入り)
ベンツ2台で5名様ご案内
・宿泊先は皇太子様も宿泊されたというRITS
美術館を思わせる素晴らしい待合ロビー
時差ボケ故睡魔の中、飲みたくない地ビールで乾杯
面倒なレジストレーションはスポンサーに一任
団長Sさん、英語使わず一安心
●マドリッドでの初日/日本は祝日なのに(2/11)
・数少ないマドリッドでの仕事、いざ国際ビジネスの始まり!
朝早く目が覚めて散歩しようにも外は真っ暗
朝8時頃からやっと明るくなりました
・ホストの研究所へ、順当にいけば30分
しかし、ここはスペイン、郷に入っては郷に従え
ローカルルールに従い倍の時間をかけて目的到着
ここは研究所というより大学の雰囲気
・5名のメンバも初日は儀礼的にもさわやかな対応
画像処理技術を用いた古文書保存システム
これが何だ、世界最先端か、1992年のマドリッド博覧会の
展示物の紹介だよ、新しい分けないよね
S団長しきりに「これどうやってもうけるの」
研究者にこんな質問、失礼なのに気にせず繰り返す
偉くなるとこうなってしまうのか
同時通訳の方はかわいそう、技術的な専門用語ばかりで
・仕事は速やかに終了、いざ観光地セゴビアへ
セゴビアのローマ遺跡上水道はすごい
2千年も前の遺跡が町のど真ん中に居座る
昼食時の子豚丸焼きが何と生後21日だそうな
かわいそうでおいしさよりも気持ち悪くなりました
デズニーランドのシンデレラ城と同じものがありました
こっちが本物らしいが諸説紛々
このお城で鉄砲を買ったホストTさん
スペイン出国時大騒ぎになるとは梅雨知らず
(Aさんもニース空港で鉄砲じゃなかったけれど
栓抜きで捕まったくらいですから)
●闘牛でなくフラメンコ(2/11夜)
・ピチピチギャルは日本人的発想?
フラメンコは芸術なり、ベテランダンサーはやはり凄い
ストリップ同様?舞台かぶりつきで観るのがベスト
彼女らの迫力を肌で感じる
シャングリアをオーダして3000円程度、日本だけか、高いのは
時差ぼけもありで居眠りも十分、しかし
若手踊り子のときのみ目がぱっちり
●だれもが行くトレド(2/12)
・マドリッドから南へベンツで1時間弱
トレドの町を一望する見晴台、いるはいっぱい日本人ギャル
卒業旅行のお嬢様達、うらやましいよ、Aさんは
一人だけこっそり記念写真
・よくしゃべってくれる運転手兼ガイドは喧しく楽しかった
下手な英語で一生懸命説明してくれる
ガイド学校に通い勉強中とのこと
てっきり年上と思ったら30歳と少し
それにしても更けて見えるね
カソリックのお嫁さんは怖いとの事
運転中の彼に電話で所在確認、いつものことだと彼はいう
スペイン女性と結婚している日本人もいっていた
浮気しようものなら何が起こるかわからないのがスペイン女性
(どこの国も同じだと思うが)
そういえばもう一台のベンツの運ちゃんはブルファイタ
運転も闘牛士のような暴走族?
実は彼、皇太子の運転手をつとめたとか
・プラド美術館
家内が一度訪れている世界三大美術館の一つ
彼女いわく、1週間でも見たりないとか
我々は半日ですべてを見回った
というかグレゴ、ベラスケス、ゴヤなどの作品の前を通過しただけ?
日本人ガイドの説明がなければ何も印象に残らなかったかも
有名な作品の説明があったのでその背景を学びました
奇怪なこと、美術館では意味不明のおばさんが
われわれについて回った
話によると外人(日本人)ガイドにはその見張り役が
強制的につくとのこと、しかも有料で
誤った説明をしてないか外人ガイドをチェックするのかな
日本語はわからないのに
●マドリッドからニースへ(2/13)
・マドリッド空港はセキュリティチェックしっかり
セゴビアの土産、鉄砲持参のスポンサーTさんは空港で門前払い
玩具の鉄砲なのに
他の皆は空港のレストランで朝食をとりながら待つこと30分
結局手荷物だからまずいとのこと
・ニースへのフライトは小さな、古そうなジェット機
エールフランスだったが、今にも壊れそうな飛行機
がらがらだったのが救い
乗務員はみな男性でフランス美女を期待していたのに
・ニースでのお迎えも大型ベンツ
まるでマフィアか俳優が愛用しそうな風貌
我々に似つかわしくなくただひたすら周囲の視線を感じてしまう
何故かJTBの日本人女性が空港でお出迎え
彼女はどうやら車の手配のみ
●ニースは6年ぶり(2/13-15)
・懐かしのニースは6年前と変わっていない
シャガールもマチスも皆元気でした(^-^)
初めての海外出張がここニース、そのときの悪い思い出
繁華街でジプシーとその子供達に抱きつかれたのだ
街中を歩くとそれを思い出してしまう
泊まるホテル以外はどこも変わっていませんでした
・6年前は外から見ただけのホテル、ネグレスコ
宿泊代も内装も食事も昭和天皇が
宿泊されただけあって立派なホテル
(ここの宿泊代が会社支給額を超えるので旅立ち前に
Iさん、Mさんが労働部と交渉してくれたそうな)
待ち合わせロビーが博物館ですね
ボーイも古風豊かな装い
絵になるんだよね、何でもかんでも
我々だけが場違いかな?
・食事はすべてよし
フランス料理、イタリア料理安くて旨い、魚介類は最高
オイスターいくら食べても安くて旨い
Sさんまったく駄目、Mさんも一口でノモアサンキュー
結局AさんとスポンサーTさんのための会食となりました
・ミシェラン4星、ネグレスコ、ああネグレスコ
初めて来たとき夕食はミシェアランの星を追いかけ毎晩食いまくった
ニースで最高のネグレスコのレストランをのぞいて
そして今回、そこで食べられるのです
ワインよし、前菜よし、とここまでは順調
しかしAさんは不幸にも体調不良を訴え自室へ退散
メインディッシュよ、いずこへ!
仲間の話によるとフォアグラが抜群の味だったとか
・カーニバル真っ盛り
イタリアンレストランでピザ、これ抜群、ワインもパスタも(^-^*)
Tさんが仮面を購入しその連鎖反応で
他の皆も仮面を購入
カーニバルを地元の人と一緒に楽しむためです
Mさん絶好調な乗りで、Tシャツ屋さんで油売る
そこの女主人がなかなかの美人で売っているものが
四十八手もどきもあり
皆よってたかってTシャツを買いあさったのです
思わずMAEさんの音頭で三三七拍子
●しっかり仕事もやりました(2/14-15)
・ホストのラゴード研究所に行ってきました、そしてどうした?
大雪の歓迎を受けました、東京も大雪だったらしいけど
仕事は?覚えていません(当時のメモに記述なし)
●ニースからロンドンへ(2/15)
・スポンサーとはここでお別れ
ファーストクラスの旅はここで終了
三三七拍子で別れを惜しみニース空港へ
・搭乗手続きでAさん、パスポートがない
食べ損ねたネグレスコ4星フランス料理への未練か?滞在延長?
あせりの中スーツケースを広げだし大騒ぎ
普段着での移動のためパッキングした背広の中ににあって一安心
でも本人相当あせった
・セキュリティチェックでAさん喚問
前夜S団長に貸しした栓抜きを朝返され手荷物にしたのが原因
栓抜きくらいで騒ぐなよ、といいたいところ
返すほうも前夜に返却してくれればいいものを
・NTTのテレホンカードでビールただのみ?
Mさんが空港パブの坊やにテレホンカードを進呈
それをみたAさん、「それここで使えないよ」
「知っている、世界のカードを集めているんだ」
「これまで何枚集めた?」「2枚!」
10分後Aさんビールオーダ
彼いわく「さっきカードくれたからただでいいよ」
Aさんにんまり
カードをあげたMさんは金を払って、
それを見たAさんはただでビールを飲みました
それにしてもニースの空港はマチスの世界、すごい
●ロンドン到着(2/15)
・現地ロンドン事務所(別なTさん)からのお迎えなし?
Tさんは近々団長Sさんの部下になるのにお迎えなし
サラリーマンとしてそれでいいのですか?
有名な英国のタクシーは空間が広くゆったり
しかし運賃は東京並みで8000円なり
(地下鉄を使えばいいものを)
パークプラザは街中にあり便利
といっても機中英国人に聞いてもわからなかったところ
●仕事らしい仕事(2/16)
・駐在所、ベンソン社、ナイネックス社、ビデオトロン社を一日で訪問
夜のレセプションはもうくたくたでした
よい意見交換ができ初めて仕事をした気になりましたが
何を話した記憶にないのです
●ロンドン観光(2/16-17)
・和食は高い、中華は安くて旨い
ピカデリーサーカス近辺の「北海」で昼食、ラーメン餃子で2000円也
夜、中華街でたらふく食ったが3000円也
・Mさんすごいエネルギー
旅の疲れを感じることなくショッピングに専念
買うものも超高価
デパート間の移動はすべてタクシー
買うものの値段に比べればタクシー代は安いのかな?
お金が余ってしょうがないのですね
・公衆電話の掛け方
まずコインを投入、ダイヤルする
相手が受話器をとったらOKのボタンを押して話す
実は一度失敗しました
相手が話し中にもかかわらずOKボタンを押してしまい
コインは戻らなかったのです
・大英博物館
行きました
またまた知的な女学生と一緒に写真をとりました
ロゼッタストーンも見ました
●帰国(2/18)
・ヒースロー空港へはまたまたタクシーで
運ちゃんいわく「お前は以前にもロンドンに来たことがあるだろう?」
Aさんのような顔を見ると皆同じに見えるということか?
中国人も日本人も韓国人も彼らには同じに見える?
・BAファーストクラス
往復ビジネスによるアップグレードで帰路はファーストクラス
米倉棋士の奥方も同じフライトで挨拶できましたが
彼女はビジネスでした
機中では和食を満喫
これが人生最初で最後のファーストクラス
(と思っていたら実はその後もう1回だけファーストクラスを利用し
世界一周する機会に恵まれました)
・成田へ無事到着
ロンドンで購入したビデオも無事税関を通過しました
VHS/PALは日本のVHSで再生できないことを初めて知りました
といってもわが社はグローバルカンパニー
あるところにはあるのですね、PAL→VHS変換装置が
後日、BAからはカシオの液晶TVをもらいました
そのときは画期的だったのですが
画面が小さすぎるのでその後使わなくなりました
はたしてワンセグは流行るのか?